青天の霹靂/劇団ひとり

青天の霹靂

青天の霹靂

内容はありがちなタイムスリップものだけど劇団ひとりらしさが利いてる。「陰日向」にはちょっと及ばないけど、持ち味の悲哀が散りばめられてて、「元の世界に帰りたい」と最初は思うのにふと、「なんで帰りたいんだろう」「帰ったって何もいいことがない」って思うところとかが切なくて苦しい。
これをあれ以上膨らますのは難しいかもしれないけど、少しあっさりしすぎていた感じがしたのは残念で、オチは若干予想できたものの、いいラストだし嫌いじゃない。ベタな台詞だけどグッときた。
偉そうですが劇団ひとりはどんどん本を書いた方がいいと思う。きっともっと洗練されてくる気がする。コントとかを作る上でもマイナスにならない筈だし。向いてる。