さや侍ティーチイン

見てきました。C列でしたが前2列はマスコミ席だったので実質最前列でした。MCは倉本さん。
※今回は結構ネタバレがあるので、見た方または了承した方だけお読みください。文章も簡単なメモと頭の中だけのうろ覚えなのでご了承を!
 
 
映画は今日で2回目ですが、2回目を見て、そして今回の松ちゃんの生と死の考え方を聞き、あの結末の印象が大分変わってきました。あの場で生きることを選ぶっていう感覚が松ちゃんにはないのかもしれないと思いました。パンフ見ると切腹ありきで始まったようなことも書いてあったので。
パンフでは野見さんにきつくあたる松ちゃんの様子が描かれていましたが、(例「死ぬ気で吹け!本気で回そうと思ってんのか!?」)結構なスパルタですね。野見さんも大変だっただろうけど、松ちゃんもきっと大変だったんだろうと思います。付き合い長いと言えど素人さんだし。野見さんて多分昨日できてたことができてなかったりとかザラなんだろうなと思う。
 
 
結構質問と回答はニュースサイトにあがってますが、それ以外の部分で覚えてることを。
 
http://yoshimotonews.laff.jp/news/2011/06/post-f9a6.html
http://natalie.mu/owarai/news/51525
 
 
質問1:竹原さんが歌い出すシーン、僕は感動したんですが、そこで笑ってるお客さんもいて、そういう感覚もあるんだなと思ったんですが、松本監督の意図は?

松「僕は笑わそうという意図は当然ないんですが、笑ってしまうという人の気持ちも当然わかります。それはそういうもんでしょうし、僕が何もかも笑いを計算してコントロールできるわけではないので。山崎邦正とかはやっぱり1回笑ってしまったんですって。でもそのせいで、そのあとが逆にいやいやいやいや、って来るっていうか、ああそういう見方もあるんやなって思いましたね。あと意外と(スタッフロールの)「うどんすすり指導 ほっしゃん」がウケてたりするんですよ。そんなもん僕笑わそうと思ってやってないんですよ。ほっしゃんのもんやなって思たからクレジットに載せただけで。それとね、そんなとこ誰も全然笑てないと思っていますけど野見勘十郎の役職で「水微調役」(すいびちょうやく。ってこういう漢字かな)ってそんなもんありませんからね」
倉「水面がね、いつもより高くなってるかどうかていうのを調べる……」
松「そんなもん脱藩するわ。しょーもない仕事!」

 
質問2:映画を娘さんに見てほしいと思いますか?どんなことを感じてほしいのか?

松「娘に限らず、僕は作品ていうのはみんなに見てもらうものだと思っていて、よく本の最初の方に『○○に捧ぐ』とか書いてるの僕はあんま好きじゃなくて。それなら個人的にやれやって思う。やっぱりみんなに見てもらいたい。娘は娘で見るかもわかんないし、そのへんはあんまり何とも思わないですね」


質問3:昔に戻って過去の自分を笑わせたいと思ったら、いつの時代のどんな自分に戻りたいですか?

松「ちょっと話は逸れますけど…損な役まわりだなと思うんですよ。今度生まれ変わったら笑う側に回りたいですね。きつい仕事やなと思うし。年末撮っててきつかったですよ。これ撮ってる間に『笑ってはいけない』とか『すべらない話』とかやって、DXとかお客さんうわーってなるでしょ?ラストシーンあたり撮ってるときは『今そんなんじゃないねん』とか思うけど言えないし。で、横から何発も何発も殴ってくるヤツおるし。こいつに俺なんで殴られてんねん、しかもこれオープニング多分オンエアないやろし、と思いながら。今、MHKのコント会議もはじまってますしね。…でもここまで行ったら腹くくるしかないでしょ」

 
質問4:男の子だった子役が女の子になったことで、当初の構想とはどう変わりましたか?

松「最後笑えるところで終わるはずが、ちょっと涙多めになってしまいました。でもいつまでも娘娘って言ってるわけにもいきませんから。娘も成長するでしょうし、僕も変わっていけないなと思いますけどね。僕の作るものは大体2回目以降のが良かったりするのをどうしたらいいのかなと思う」

 
質問5:何故一般の人と話す機会を設けていただいたのか。

松「全然深い意味は無いです。舞台挨拶で、普通に司会者の人がいて、出演者の人がいて舞台挨拶して…っていうのがまどろっこしくてイライラしてて。そんなことより俺は喋りたいし、なんぼでも答えたいし。だからこういう機会の方がいいかなって。だから今全然僕苦痛じゃないし、2時間でも3時間でもやっていられる。『しんぼる』のときに釜山でやって、それが新鮮だったんで」

 
質問6:松本さんは「頭がおかしい」と「面白い」という諸刃の剣みたいなイメージで、浜田さんがそれをおさめる鞘なのかなと思っているのですが、監督として(浜田さんがいない現場で)やっていくなかで収めどころというか暴走せずにいられた鞘って何なのかなと…(こんな感じかな?質問が抽象的で難しいが)

松「つまり、どういうことでしょう?(笑)誤解を生むとアレなんですけど、ホントのこというとツッコミって警察だと思うんですね。警察って本当はいない方がいいんですよ。平和の象徴なんですよ。本当は皆の笑いのレベルが高ければツッコミなんていらないんですよ。そこのジレンマというか。ツッコミ(警察)がいることで助けられてるんですけど、本当のこというとボケだけでやっていかれたら嬉しい。でも、ダウンタウンは浜田がいなければ売れなかったと思う。これは事実なんで

わーお。松ちゃんから言葉でストレートな発言は珍しい。しかも照れずに。「浜田さんはこの映画について何か言ってましたか?」に「彼は特に…」と「彼」呼びもなんかイイ。
 
ここで質問は終了時間だが、最後に松ちゃんから一言。

大日本人のハリウッドリメイクで僕が浮かれてるみたいに誤解されてる気がするんで言っておきますけど、大日本人は大佐藤が一人で一生懸命日本のためにやってて、全然日本人から応援も受けない。でも頑張ってて。最終的に手を差し伸べたのはスーパージャスティスというアメリカなんですよ。ハリウッドなんですよいわば。あれはだから、すごく自分とかぶるんですよ。皮肉やなと思って。大佐藤のセリフで「この国を守るもんだ私は!」っていう台詞がすごく好きで。あれは松本人志の絶叫でもあるんですよ。あの映画も結構叩かれましたけど、僕は全然後悔してないし、今見ても良い。あんなえげつない終わり方をね…!あの勇気!」

勇気wそういえばフレンドリーダウンタウンで陣内が「あの結末あれ何なん?奥さん(※当時は某バスロマンとまだ新婚中)と見ててどういうことなんかなって言うててんけど」と絡んでたのが印象的です。大先輩に「意味がわからん」とぶっこむ陣内の勇気もすごいと思いますw
松ちゃんが自分の作品について「叩かれた」と言ったのは少し意外でした。「あさイチ」とかも聞いてると、やっぱり自分が良いと思ってるものが評価されない(でも海外では評価される)ことについてはすごくジレンマを抱えてるように思いました。とにかくダウンタウン松本という部分を外して作品を評価してほしいんでしょうね。確かに過去2作はホントに実験的だとは思うし、無名の監督がやってたら何ぞ!?とは思ってると思う…かなあ。でもそれは「見てたら」の話で、実際松ちゃんじゃなければ少なくとも私は見てなかったと思いますけど。あと3作の路線を全て変えてきたのはやっぱりすごいことだとは思います…でも私も松本映画に関しては、今回のさや侍はともかく、「映画」というスタイルで作らなきゃいけないものなのか?というところで堂々巡りになる。個人的にはMHKを半年に1回定期的にやる、とかそんな方が嬉しくて。全部で5作作るということなのであと2作ですかねー。
 
今日あるラジオで「脚本をいつものメンバーで組んで作らず、映画のことを知っている人と作ってみた方がいい」いいと言っていて、これはそうかなあと思った。以前シャカの大熊さんが舞台をやったときにコントの延長で作っていて、それがどうにも違和感があって、というか明らかにダメで、演出に舞台の人を招いたらすごくよくなった印象がありました。
本職の人と組むのも一度やってみても面白いんじゃないかなとは思いました。
 
 
さて、最後に野見さんと聖亜ちゃんが登場!久々に見たら太ってる野見さんw
野見「はじめましてー!さや侍の主役です!!」と挨拶する野見さん。
1個だけ質問もらうことになり、「とうもろこしは食べ辛くなかったですか?」との問いには

野「いや、別に。前歯がないからって食べられないわけじゃないので!奥歯まだありますので」
松「意外とプライド高いんですよ」
倉「今いらっとしたよねw」
松「食べれるとかいうんですよ。食べられないのに。さやの部分ですよねー」

 
そして聖亜ちゃんからも質問。
聖「たえちゃんてあの後どうなるんですか?」

松「俺の中では…若君と一緒になるのかなと思ってる」
客「えー!」
松「で、野見さんが生まれるの」w

 
ということで次の回の上映が押すほど長く喋ってくれました。ひとつひとつ丁寧に真摯に答えてくれた感じがします。流石に私は質問する勇気がなかったけど、いい思い出になったし、しておけばよかったかなー。
あとニュースにもなってたけど、竹原さんのことを語ろうとした松ちゃんは急に黙り込んで目がうるっときていた気がします。「なんかすいません」と言っていましたけど。竹原さんはちょうど事務所もレコード会社もやめていたので、ブログとかから消息を掴み、松ちゃんが(手術直前だったので)杖をつきながら直接交渉いったそうです。
 
舞台挨拶より今日の方が全然有意義だったし行けて良かったなって思った。是非こういう機会を今後も設けてほしいなと思いました。ファンも濃い人が多く、なんというか浅い質問があまりなかった印象で、作品に込める思いが色々聞けた気がしました。