告白

見てきました。本の感想はこちら
※ネタバレ部分は反転させないと読めないようにしてあります。


今まで見てきた中島監督の作品とは違って、白と黒の目立つ色彩。
独白だけのあの小説をどう映像化するのか非常に興味があり、中島監督だったら大幅に変えたりもありえるかも、などと思ってましたが、基本的には原作にびっくりするぐらい忠実で、前半は松たか子に淡々と語らせるのも驚きでした。
なので、感想は本の感想とほぼ同じで、内容だけ追っていくと後味の悪い、救いの無い話です。ですが、松たか子の半端ない冷徹ぶりや、ウェルテル岡田将生くんのアホっぷり、そして木村佳乃の壊れっぷりが見事で引きこまれました。木村佳乃は「泣かないと決めた日」とかでもヒステリックっぽい役だとすごく怖い。紅茶入れててふと「あ」っていってからのシーンが怖すぎるよ!
犯人ABについては、知らない子役だったのですが、結構大きい役だよなあ。Aはちょっと山田涼介くんに似てるね。あと美月役が可愛い。第3の柴咲コウだね!(※第2は大政絢)あと愛美ちゃん役が芦田愛菜ちゃんでメロメロ!


基本的に独白で話が進むので、それが本当かどうかは見ている側にはわからないのが上手いと思った。あとラストの方の巻き戻りシーンが「え?東京モード学園のCM?」と思ったwあの「なぁんてね」で終わるってのはいいですね。「更正して欲しい」っていうラストにまだ救いのある台詞を持ってきたと思ったらまったくそれを裏切られて。もちろん森口はあんな台詞を吐くような教師には描いてきてなかったので、最後の最後に振り切ってて気持ちよかったです。個人的には「どっかーん」で終りでも良いかと思いましたが。


あとはこう…うまく表現できないのですが、学生時代の嫌なものが結構詰め込まれていて、もちろんいじめだとかそういうのも見てて気持ちのいいもんじゃないんだけど、ウェルテルの存在が映像で見れば見るほど自分には痛かった。「みんな仲間!」「みんなにはそれぞれ素晴らしい個性がある!」だという青臭いメッセージや、「みづほ」という本人が嫌がってるニックネームを何も気にしないで呼んだり、生徒は基本的に下の名前で、「先生」と呼んでも「ウェルテルだ」と言い直させるだとか、そういうのすげえええ嫌いだわ!!いるんだよ、多いんだよ、こういうことして生徒のことわかった気になってる教師。それを「原因は先生だ!」と見事に潰してくれたのはスッキリしたけど。つかこれって金八全否定だよなw
あとはエンドロールで「タンバリン指導 ゴンゾー」ってあったところで思わず笑いました。


でもこれ見てきたよ!見たほうがいいよ!なんてオススメあまりできる映画じゃないんだが。