オードリーのANN

今年最後の放送ということで1年を振り返っていました。今年1番忙しかった芸人といっても過言ではない2人がこの1年をどう思ったのか、また大変だった仕事の話などという話を前半はしていて面白く聞いていたのですが、最終的には何だか胸にぐっと迫るものがありまして、口頭でこの話をしてみたもののいまいち伝わらない。ということで諦めてちょっと書き起こしてみました。こんなヒット数少ないブログで書き起こしに時間かけるのもどーなんだって思いつつ、個人的なメモです。とりあえずこの1年を振り返っての出来事。順番は多少前後します。


忙しすぎて体調が悪くなる2人

若林 とにかく病院にはよくいきましたよわたくし。
春日 おたくさんは月1恒例ぐらいの話になってましたなあ。
若林 にんにく注射打って持ち直したりとか。
春日 わたくしも夏後くらいかね、全身に訳のわからない湿疹ができるっていうね。
若林 春日さんは湿疹が出ますからね。
春日 湿疹が一ヶ月くらい続いて。結局病院行ったら何かにかぶれたっていう。ストレスじゃなかったっていう(笑)

若林 僕は9月あたりだったかな、「スクール革命!」の収録中に倒れて。立てなくなっちゃって、胃腸炎で。
春日 あーそうでございますなあ。
若林 慈恵医大運ばれて。基本的にスタミナはないですからね、僕は。たびたび倒れててにんにく注射打ったりとかしてて、慈恵医大のときは確実な胃腸炎の倒れ方したから。
春日 ほうほう。
若林 2時間点滴打って、明日も早いって聞いてて、できる限り早くスタジオ戻ってくださいってのがあって。点滴も結構早いスピードでやります、みたいな。なんだろ、ダウンしてるじゃないですかボクサーが。
春日 はいはい。
若林 セコンドに無理矢理立たされて行け!みたいな気持ちになって。で、医者と2人きりになったのよ病室で。「すいません、1日だけでいいんで入院しなきゃいけないって言ってもらえないですか」「9時間くらい寝たいんすよ」っつって(笑)
春日 (笑)
若林 「『本人の希望により』って説明しなくちゃいけなくなっちゃいます」って。
春日 なるほどね。
若林 「いやお願いします」「いや無理です」って。「わかりました、じゃあ右腕、折ってください」って言ったんすよ。
春日 (笑)
若林 したらそのお医者さんが「若林さん、痛いですよ〜」
春日
 「ムリですよー」じゃなくて「痛いですよー」(笑)
若林 で、帰ったというのがいい思い出ですね、今となっちゃ。


仕事の話

若林 1月、2月、3月は半分が春日の家の仕事でしたね。「春日ん家に9時入り」とかばっかりでしたからね。飴ジュースの話何回したんだろうね。
春日 飴ジュースの話は数え切れないですよ。
若林 「まんじゅうこわい」ぐらいじゃないですか。
春日 ロケとかでレポーターさんが、「これなんですか?」みたいなさ。
若林 俺さぁ、もうさぁ、毎回冷蔵庫あけて「ああ〜!ちょっと待ってくださいっ!これは何ですk」イヤ飴ジュースだよ!って心の中で。知ってんだろ!と思って。
春日 (笑)
若林 でもさ、あんだけやっててさんまさん流石だなと思ったのは、みんなタレントさんとかレポーターさんが飲んで「うわ、なんか甘ったるい」とか言うのに、さんまさんは「いけるがな意外と!」って。さんまさんだけよな、あのリアクションしたの。
春日 (笑)
若林 でもね「同じ話を何回もする」っていうのがどうなんだ、って知らないじゃない我々。いいのかなっていう。
春日 でも意外に知らない人が多いわけですよ。
若林 それ、今はわかるけど、毎日、毎日「まんじゅうこわい」やるんですよ?
春日 でも「いや飴ジュース知ってるでしょ」って言って「いや、知らないです」みたいになったら。飴ジュース天狗になったら困るでしょ。
若林 今はわかるけどさあ。だから放送ごとに俺のテンションが下がっていってるんだよ。

若林 7月あたりでしたっけ、1万人のトゥース。
春日 ああ、そうでございますなあ。DVDの発売の。
若林 あれは、どういう気持ちなんですか?嬉しいの?喜怒哀楽で言うと。
春日 嬉しい…、嬉しいではないね。ナニコレって感じ。なんだこれって。
若林 珍百景?
春日 珍百景。ナニコレー!!
若林 俺らの世代はギャグがはやるとあぶないっていうのを死ぬほど聞かされている世代だから、あぶねーなーと思って俺現場に行くのよ。旬みたいなさー。
春日 前の夜から並んでる人も居たらしいね。
若林 今やったら間違いなくそんな人でないでしょうね。
春日 出ないでしょうね。

若林 1番きつかったのは2人で共通して黄金伝説のサイゼリアの…。
春日 あー、あれはきびしだったねー
若林 サイゼリアに挑戦してる2日目の夜にめちゃイケの「歌ヘタ」があって、あっちはあっちで歌が下手なもんでプレッシャーもあって、ようやくフジテレビに出て、サイゼリア解放されたときにコンコンてドアノックされて、あけたらサイゼリアの店員がハンバーグセットを運んできたときが怒りのピークでした。
春日 あれはね。ここまで持ってくるかと。

若林 僕石田くんとドリームマッチやったけど、やっぱりオードリーってね、基本的に8年間テレビ出てないじゃないですか。それを美談みたいにしてくれる番組もあったんですけど、基本的にやっぱり2人とも落ちこぼれなんですよ。
春日 まあそうだろうね。
若林 石田君と漫才やってわかった。長井秀和さんが4年前5年前くらいにちょうど同じショーパブに出てて、長井さんのネタを袖で見るわけですよ。長井さんは1行のネタをいくつも言ってて、それをライブにかけて、テレビに出るときはその中のオールスターで出るから、テッパンが9個になってウケるじゃないですか。だからその形を取れば、実力がなくてもオードリーでも何とかなるんじゃないかな、ってその時私思ったの。
春日 なるほどなるほど。
若林 だから漫才を同じ形にして抜粋もできるようにしないと、俺と春日じゃ無理だと思って、M−1はね。で、そういう形にしたんですけど、石田君とかって全部が1本というか、まあ大体漫才の人ってそうなんだけど。ナイツも。オードリーはパッチワークパッチワークで。
春日 そんで変な方向いっちゃって、「ゆっくり出てくる」みたいな。
若林 (笑)
春日 (笑)
若林 石田君とドリームマッチやったときに漫才力の凄さは凄い感じたね。とにかくこういうボケのこういうフリでって、ボケの数も短時間でぶわー出すし、身体の動きから、顔の動きから。すごかったね。

そしてここから売れた今の心境や苦悩のような話の流れへ。

若林 でもこんなたくさん仕事してて、「飽きられる飽きられない」っていうのとかが、わからないじゃん俺たちには。
春日 まあまあ、ね。
若林 仕事も選ぶ権利ゼロですし。
春日 ええ。
若林 で、それでちょっと不安というか悩んでたときに、誰とは言えないけどもうすごい俺らの世代だったら尊敬する人に番組始まる前に「他人事にしてもちょっと出すぎやなー」って。「しんどいやろー」って。ホント涙出そうになりました。
春日 あらほんと。
若林 そういう風に思ってくれてるだけでも光栄で、嬉しくなりましたけどもね。「今幸せでしょ?」とか言われて出てくじゃない。
春日 「良かったね」とか。
若林 でも例えば「おしゃれイズム30分オードリーでいきます」って言われたらもうとんでもない、パラシュート無しのスカイダイビングみたいなプレッシャーだよね。いろんな大人と、責任とで。大丈夫?って。あと慣れないし。
春日 うんうん。
若林 しゃべくり007のあとにアメトーークとかって…。もう俺らショーパブとライブしか出てない、まあいっても2007年はネタ番組しか出てないから3分ネタやって1分ネタやって帰るみたいだったのに。
春日 うん
若林 もう毎日がスカイダイビングだね。スカイダイビング4本みたいな感じよね。
春日 ぎりぎり生き残るみたいな。

若林 僕が「なんだろな」って思った仕事は虎のぬいぐるみをかぶる…。
春日 それはもういいでしょそれは。それはNGですよ。
若林 同じ雑誌のあれもわかんなかったですからね、「プロポーズなんていう言葉でするか教えてください」って言う。意味わかんなかったっすからね。
春日 バラくわえたりとか、そういうあれでしょ?
若林 家の近くに住んでる同級生と飲んでて、その話をしたの。ずっと同じ芸人の人好きだったし、一緒にお笑いのライブとか見に行ってて、すごい同じ音楽が好きで、わかってくれてる友達ね。(虎が)なんで嫌かっていうと、風呂なしに住んでて、1人でとぼとぼ銭湯いって、100円ショップのおにぎりが夜23時に50円に半額になるの待って、でコンパとか行くのも25歳位で嫌んなるのよ、芸人だからっつって遊んでるっていうのも。もうなんか嫌んなるっていうか…情けなくなってきて。家にもうホント引きこもり?の状態だったんすよ。27、28とか。
春日 ええ、ええ。
若林 で、家でテレビ見てるとさ、女性人気のあるお笑い芸人さんがキャーとかさ、雑誌に出てウィンクとかしてるやつ見て、俺正直言って大っ嫌いだったからね。(自分が)モテないじゃないですか、ネガティブだし、27で月給5万とかでしょ?
春日 うん。
若林 まあ春日さんみたいにポジティブだったらモテるんでしょうけど。
春日 まあまあ、それはいいじゃない。
若林 (笑)それを自分がやってると、そういう風に、「アパートとかにいる人がどう思うんだろう」ってどっかで頭よぎっちゃうんだよ。で、車乗っててさ、駐車場に入れるときに駐車場がT字路の奥まったとこにあって、その奥に春日さんちのアパートより古い、昔大学の寮だったみたいな。俺がもし車を柱にぶつけちゃったらアパート全体崩れるくらいボロいのよ。
春日 (笑)よっぽどだね。
若林 で、深夜2時くらいにファミレス帰ってきて車入れてて、アパートの横の、鉄の錆びた階段のとこに上下グレーのスウェットで、サンダル履いて、死んだ魚のような目で、髪ぼっさぼさの、二十何歳くらいの男の人が階段に座ってくわえ煙草で…くわえられてないの半分ぐらい。
春日 何があったんだよそいつは(笑)
若林 いや、そういう気持ちわかんない?お前わかんないんだっけ?お前はポジティブだからわかんないの。俺似たような感じだよ。わかるよ、その人の気持ち。そういう人はさ、タレントがね、美味しそうなもん食ってたら「うまそうなもん食いやがってこいつらよ!」って。俺も超思ってたから、それ。それをいま自分が「おいしー」とか言ったり、虎のぬいぐるみ被ってね、「若ちゃん」とか言われてるって…。
春日 (笑)
若林 な?思わない?
春日 「若ちゃん、カワイー」って(笑)
若林 ダメなんだって、そんなこと。ダメなんだって思うのも古いのかもしんないよ、時代的に。そこをフラットにね、なんでも笑顔でやる時代だってのも勿論わかった上で、2年前3年前の自分がよぎっちゃうのよ。
春日 なるほどね。
若林 その同級生も「俺はお前のテレビを2月から見ていない」と。「お前が頑張って一般の目線を作ろうとしたりしてるのが辛い」と。
春日 ほうほう。
若林 でも俺も頭でよぎっちゃうから、うまく虎のかぶれないんだよねーって言ったら「若林、そんな風にテレビみたり雑誌みたりしてるやつ、国民の0.8%くらいだぞって」
春日 (笑)確かにね、そこ向けで行くっつーのもね。


若林は芸人気質というか昔気質というか、アイドル芸人のようになっている今の自分の立ち位置にすごく違和感を感じてて、しかもそこらへんがあんまり器用じゃないからそれがストレスになってるんだろうと思った。ただその分話を聞いてる春日が全部受け止めてるというか、時々ホントにお父さんみたいな感じに見えるときすらあって、そこらへんがこのコンビがうまくいっている原因なんだろうな。いいバランス。そして2人とも浮かれることなく、「今やったら間違いなくイベントに1万人も来ない」と、自分達のことをかなり冷静に見ていて、この人気が一時的なものだと割り切っている感じ。
今年1年で2人のキャラを知ってもらえたので来年はもう少し違う仕事ができるだろうけど、ただ松ちゃんに気に入られてるのはありがたいというか、IPPONとか○○な話とかに呼んでもらえてるし、こういう笑いと向き合う仕事がもっとくればいいね。
実はラジオ開始当初から若林は春日のピンクベストをそろそろやめたい様子で、いいともは契約上年内は脱げないらしいのだが、キャンナイではちょっとづつベストの色を変えたりしている。ピンクベストを完全に脱いだ後が勝負?頑張れオードリー。



最後はその「アイドル芸人」的ポジションにいるゆえのこんな注意。

若林 とある女性タレントの方にこないだ言われたんですけど、「私クイズ番組で若林さんに『頑張ってー若林さーん』って声援したら、その日のブログのコメントに『気安く若林さんに頑張ってとか言ってんじゃねーよ』って書き込まれたんです」って言われて、すごい恥ずかしい思いをしました。僕が何故か。
春日 (笑)
若林 僕が何か申し訳ない…
春日 まあ躾がなってないみたいな話ですよね。
若林 そういうのはすっごい嫌でした。
春日 (笑)まあ、嫌ですよね。
若林 はい。なんか嫌でした。
春日 そういうのはやめてくださいって言ったほうがいいですよ、それ。
若林 やめてください…他の人のとこにそんなこと書くのはおかしいですよ。
春日 そうですよ。

大分抜粋したのだが長くなりすみませんでした。昨日のIPPONグランプリがすごくよくて興奮冷めやらぬ状態なんですが、長くなったので明日にします。