屍鬼/小野不由美

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(一) (新潮文庫)

全5巻。厚い。
最初は登場人物多くて理解するまでに時間が掛かるのですが、後半に従い徐々に加速していく物語にハラハラ。特に4巻の後半あたりからが面白いです。
それと、登場人物が皆それぞれ素敵。こういう感想は浅田次郎のときも書いたんですけど、魅力的っていうよりも、かっこいい。漫画的なかっこよさがある。みんなそれぞれ素敵なんだよな。敏夫と夏野あたりが特に。
郁美さんが最後にどうにかなるのだと思ったが、出てこなくてがっかりでした。


この話は、屍鬼との対決で終わっていなくて、人を犠牲にしないと生きていけない屍鬼の物悲しさや、人の拠り所とか、生きるという概念とか、そういうところまで描いていたので、単なるアクション小説で終わらなかったのが良かったです。


ただ私としてはどうにもこうにも静信の気持ちが分からなくて、ずっと苛ついていました。