クリスマス・テロル―invisible×inventor/佐藤友哉

クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)

クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)


初めて佐藤友哉という人の本を読みましたが、衝撃でした。久々に個人的ヒットがきたです。決して人には薦められないけど。この人読点少ないよね。そこがちょっと好きでした。
なんというか、物語としては正直描き切れてないと思う箇所も多い。尚人がどうしてああなったのかとか、真人の尚人に対する苦悩とか。あと真人はタキに対してきっと純粋な想いがあったんだと思うけど、(あんなにボコボコにするくらいだから)そこらへんも「ただ気持ち悪い」だけで終わってしまってるし。兄弟の物語だけで充分なのに岬の記憶障害という重い話を入れてしまって、結局岬の話が中途半端になってしまったような。
どうやって尚人が見張られてる中部屋から出たかというところは面白かった。痛いけど。
それから終章ではドギモ抜かされました。佐藤友哉ってどんな人かよくわかってなかったし普通にショックだった。
ほんとに「問題作中の問題作。あるいは傑作」(←本のキャッチコピー)です。


「経験はあるか?」
「えっ、ちょっと、何て事を聞くんですかー」
「死ねよ。労働の経験はあるかと聞いたんだ」