六枚のとんかつ/蘇部健一

六枚のとんかつ (講談社文庫)

六枚のとんかつ (講談社文庫)

前々から噂を聞いていましたがついに読みました。感想はいい意味でくだらね〜という感じ。でも私こういうの、大好きです。これにメフィスト賞を出す講談社の頭の柔らかさも好き。笑える推理小説?です。
短編集なのですが、特に好きなのは「音の気がかり」です。誘拐犯からの電話の雑音に「ガッツ石松」って聞こえたからって、ガッツ石松に関係あるんだ!とか言ってホントにガッツのスケジュール問い合わせたりするとこなんか馬鹿馬鹿しくていいです。
あとは「しおかぜ17号四十九分の壁」。トラベルミステリーで、彼がB地点に行くには後の列車の出発が50分遅れてなければならない…ううむ、これでは彼のアリバイが成立してしまう…とか悩んでたら、実は実際電車が50分遅れてたりとか。(両方トリックのネタバレではありません)
それと、私の知る限り、犯人や盗まれたものの在処をここまで外しまくる小説はなかったので、逆に先が見えない。犯人見つけられるのか?と。そっちでハラハラです。
でも「六枚のとんかつ」のトリックや「見えない証拠」のダイイングメッセージは案外うまいかも。
推理小説が好きじゃなくても気軽に読める一冊です。