あそこの席/山田悠介

あそこの席

あそこの席

またまた山田悠介やっちゃいました。
……展開が、まったく同じじゃないかよ!!謎がおこる→事件のことについて調べる→自分に魔の手が→ギリギリ死なずに助かる→ ラストがちょっとぞくっ。ベイビーメール、親指探しそのままじゃないか。
そもそも、今回は「その席に座った人が呪いを受ける」という展開なのだから教師だったらまず「席を替えよう」というべきなのに、いきなり「被害に合った人を調べてみよう」だって。アホですか?
調べに被害者の家に行った時の反応も全部同じで、これまたベイビーメール同様。
いや、でもこんなにそっくりな小説を書くなんてある意味ミラクルである。
他人の小説と似てるならまだわかるが自分の前作と同じでどうすんの。


あと、すごい面白かったのは、途中に沙也加が事件の真相について話すシーンがあって、延々と語ったあと、
「それにまだ気になる事があるの」
「気になる事?」
「うん。その前にトイレ行ってくる」
何故そのタイミング!?
結局犯人に襲われてその続きが言えなくなっちゃうんだから。
山田悠介は「独りにさせたい時はトイレ」らしい。
このあとも「それじゃあ先に帰っていてくれ、俺、トイレ行ってくるわ」って一人殺されたし。
ベイビーメールのときも大事な時に主役トイレ行ってていなかったし。
これホント毎回言ってるんだけど相変わらずのご都合主義ですね。


あともう一つ言いたかったのは、この物語には結構ピアノを弾くシーンが出てくるんですが、出てくる曲が「別れの曲」と「ネコふんじゃった」って…さてはこの人ピアノ知りませんね?「エチュード第三番 ホ長調作品10の3」って言うんだよ!という微妙な知識だけ披露されてもどうしたらいいのか…。


あ、もう1個だけ。最初の方で

「今日からこのクラスの担任になりました市村史朗です。史朗という朗の字は間違いやすいのですがこの郎ではないので注意するように」
生徒からは何の反応もなかった。
「ま、まあいいや」

という部分があったのだけど。どういう反応を返せばよかったのか謎です。


展開は半分くらいで先が読め、一言で言えば陳腐。