リアル鬼ごっこ/山田悠介

リアル鬼ごっこ

リアル鬼ごっこ

初めて読みました。すいません。長いです。
まず根本的なことを言わせてもらうと…これ、ガキの使いの鬼ごっこのパクリじゃないの?…まあ、たまたまだとして。次にタイトル。「リアル鬼ごっこ」って。内容も国中の佐藤さんが不条理に殺される話だし、どうもコントっぽいなという印象です。もうなんか「鬼ごっこ」だけでもバカっぽいのに「リアルかよ」みたいな。


で、文章表現が稚拙です。どんなヤツが書いてるんだよと思ったら一個年下だった。妙に納得しました。あとは、結構みんなレビューで書いてますけど、「偶然多すぎ」ですね。なんかうまいこと出てきたなーこいつ、っていうような。父親のキャラクター設定も曖昧だし。それから、謳い文句が「バトロワより怖い!?」だったけど、比べ物にならないです。バトロワのように怖いとも思わないし、切なくも悲しくもならない。やっぱり文がダメなのと、その場で殺されないっていうのがいまいち緊迫感を与えないのよね。


まあ、大まかなことはこれくらいにして、細かいところ。私が一番気になったのは「王国」「王様」と「佐藤」のミスマッチ。どー考えても王国(海外イメージ)と佐藤(バリバリ日本イメージ)はくっつかないよ。王国にいる佐藤さんっていうので「はあ?」なんだよね。だから、絶対君主=王国っていう考え方が幼稚なんだ。っていうかさあ、例えば誰かに頼みこんで結婚しちゃえばいいんじゃないの?その期間だけ。相手だってその人が死ぬんだからそれくらいのことはするし。それと、1時間だけの鬼ごっこってのも疑問。多分鬼ごっこと同時並行していろいろ書きたかったんでしょうけど、全然壮絶感がない。極限状態にならないでしょ。1時間じゃ。鬼も佐藤以外の国民が全員参加しなきゃいけないとかだったら面白いんだけど、イキナリ出てきて「はい鬼です」って言われても。またここで「はあ?」なんだよ。ホントこれは久々の「壁本」です。


この本で金払ってもいいと思える部分は装丁だけ。