名探偵 木更津悠也/麻耶雄嵩

名探偵 木更津悠也 (カッパ・ノベルス)

名探偵 木更津悠也 (カッパ・ノベルス)

久しぶりの麻耶さんでございます!まあ嬉しい。「木製の王子」に続き、一作目「翼ある闇」より後の物語。今回は短編が4つ。解決するのはもちろんメルではなく木更津なのですが。メルと違うところは木更津は天才でなく一生懸命考えて解決するというところ。悩める木更津。そしてそんな木更津よりも実は先に事件を解決している香月。「事件を解決するだけが名探偵ではない」「では何をもって名探偵とするか」…ここら辺の発想が麻耶雄嵩です。ドラクエ4とか5とかで言うところの「何をもって勇者なのか」的な。
内容としては短編でも十分面白い。その中に変な固有名詞が入ってたり、白幽霊なんかは始めからその事実だけで解決じゃないかと言われるオチだったりするところが麻耶らしいのだが今までの作品に比べとにかくスタンダードで、癖がなく読みやすい。名前もそれほど変なのないし。麻耶雄嵩好きにはちょっと物足りない感じはあります。