デンデラ

佐藤友哉の原作が映画化されました。
本の感想はこっち↓
http://d.hatena.ne.jp/nyam73/20100114#p3
 
原作厨なので、まあやっぱり不満は出ちゃうだろうなと思いつつ見てたのに、あの原作をここまで映像化したことは本当に素晴らしいと思ったし、やっぱり永年のキャリアを積んだ女優さんばかりで見応えがあり、原作が好きで見た映画でここまで「良かった」と思ったのは初めてかもしれません。あ、そもそも老婆たちだけの村だとか熊だとかは原作からの話で、映画に関してリアリティがどうだということはスルー。
 
原作は村への復讐を前に「疫病」と「熊」という2つの障害が立ちはだかりますが、読んでいく中であっち行ったりこっち行ったりな印象を受けたので疫病部分をばっさりと切って熊だけに絞ったストーリー展開はベストだ思いました。どちらかを切らないと時間内に収まらないし、話が散らかったと思います。心配した熊もそこそこよくできてた。熊にやられるシーンはなかなかエグかったけどw
 
キャストで言うと浅丘ルリ子のカユは最初聞いたときイメージと違うなあと思ったけど、汚れメイクだったり、なにより冒頭に放尿シーンには驚いた!メイは結構イメージ通りで凛々しく、マサリの倍賞さんは流石でした。熊と対峙するシーンがかっこよすぎる!どの女性も老いなんて感じさせないカッコよさがあり、それと同時に少女のような可愛さもあった。あんな雪の中すげえと思います。
 
カユが最後の方に熊に追いかけられるあたりはやっぱり映像化する上で難しいだろうなと思ったけどそこまで違和感は感じなかったかな。それから私の中のラストシーンのイメージは「カユが雄叫びをあげながら全力で山を駆け抜けて行って、村が見えてきたところで終わる」って感じだったんだけど、あのラストの終わり方も面白いと思いました。
とにかく見終わってから感動と興奮でしばらくぼんやり。エンドロールに「佐藤友哉」という名前が出たことも嬉しくて。今1日1回しかやってなくて都合に合わせられず、見に行くか迷ったけどホント見に行って良かったです!
 
 
ところで映画館に入ってみてシニア層が多いことに驚きました。出てる人が浅丘ルリ子草笛光子倍賞美津子山本陽子ではそうなるかと思いましたし、多分あの中で私こそマイノリティだったのかもしれませんが、しかし原作知らない人たちがあのVS熊をどう思ったのか…これ原作見てから行くのと初見で見た人ではかなり感想が違うと思う。確かに熊って唐突なんだよね。原作未読な方はともかく、見てちょっとでも面白いと思ったら絶対見に行くべき!!