とるこ日記 〜“ダメ人間"作家トリオの脱力旅行記〜

とるこ日記 〜“ダメ人間

とるこ日記 〜“ダメ人間"作家トリオの脱力旅行記〜

そしてこの流れで乙一関連本。乙一定金伸治松原真琴のダメ人間3人がトルコ旅行したときの旅行記本です。海外の人のフランクなコミュニケーションが嫌。なのに海外旅行しちゃう。そんなどないやねん旅行記。基本は定金さんが日記を書いてそれに2人がツッコミ。そのツッコミに更に別の誰かがツッコむという形式で、若干の読みづらさはあるが細かい字で書いてあるので隅々まで面白い。タモリへの異常な執着や、定金さんと乙一がお互いを貶しあうところなども面白く、ただの旅行記じゃありません。
ただ読んでて何かの違和感を感じずにいられないのですが、でもそれがなんだかよくわからなくてよく考えた結果、3人が仲良くて何気にいろいろ旅してコミュニケーション取ってるし、ダメ人間というよりリア充に一瞬見えるからではないかと分析できた。
それから巻末の乙一による小説「毒殺天使」の出来が素晴らしく、これは乙一ファンならトルコに興味がなくても必読の一冊。乙一らしい独特の語り口とテーマ、そして毒の絶妙の匙加減。ムチャクチャだし重い話なのになんて可愛い小説なんだろう。ちょうどこのバレンタインの時期にぴったりであります!