乱反射/貫井 徳郎

乱反射

乱反射

初めて貫井さんを読みましたが読み応えがあって面白かった!2歳の子供が倒れた木に押しつぶされて死んでしまうんだけど、その原因を探っていくと色んな人が些細なことをした積み重ねから事件が起きており、その些細なことは自分もしないとは限らないほど小さくありふれたともいえること。このタイトルの「乱反射」はすごく上手いタイトルだなと思う。最初は各自の物語が続くのでこれがどう絡み合うのだろうと思っていたら、ラストに向けてカンカンカーンと乱反射していきました。
被害者は事故を起こした直接の原因になった人は裁けても、マナーとかモラルを守らなかった人までを裁くことは出来なくて、でもその直接の原因になった人だけが悪いんじゃないし、この辺のジレンマが苦しくなりました。
自分が何の気なしにやったことが結果的に死に至らしめているかもしれないと思うとちょっと怖いです。