デンデラ／佐藤友哉

デンデラ

所謂「姥捨て山」に捨てられた老婆達が新しい村「デンデラ」を作り、ある者は村への復讐を目論み、ある者は静かに死ぬことを願う…そんな老婆達が暮らす村に新しくやってきた斉藤カユを中心とした物語。
登場人物が全て老婆というのがまずすごい。村への復讐をしようとしても、それを計画中に寒さやら飢えやら伝染病やら熊やらといろいろな自体が発生し、力のない老婆達ではなかなか太刀打ちできず、命を落としていく者すら現れ復讐まで手が回りません。結構熊vsデンデラがちょっと長いので、このまま熊との対決で終わってしまうんじゃ…と一抹の不安を覚えましたが、ラストは無事に？というかユヤタンらしいラストで、全然爽快でもないのですが、なんだかこの斉藤カユが風になりそうな爽やかな展開にも思えました。
ここ最近のユヤタンの、「バックベアード」や「灰色のダイエットコカコーラ」はそんなに好きな話じゃなかったので久々にヒットで、ページをめくるのも惜しいくらい面白かった！