グロテスク/桐野夏生

グロテスク

グロテスク

読んだ。しかし感想書くのは非常に難しい話だが…話に大きなオチがあるわけでもないし、読了感もすっきりしないのですが、すごい共感できる部分は多かったです。
美醜、成績、家柄、職業などで周りと自分を比べてるとかそういうのもそうなんだけど、特にお嬢様学校に入ってみて、自分はこの一員になれたと思ってわくわくしてたけど結局下から持ち上がってきた人たちが中心を占めて、あとから入ってきた人間よりも上っていう意識があったりするとことか、主人公はそういうのが嫌って思ってるんだけど、結局高校からの持ち上がりってわかるようなリングを指に大事に嵌めて大学に行っちゃうとことかが、なんか小さいポイントポイントで「わかるわかるわかる!」っていう感じでした。
あと和恵の、必死に内部生についていこうとしたり、容姿のせいで落とされたクラブのことをクラスで話し合おうとしたり、いい友達を家に呼ぼうとしたり、自分の会社に自信があってみんなの前でひけらかしたり、でもコネだってばっさり言われちゃってムキになったり、男に依存したり、売春してるのに優しさ求めたり……彼女の生き方全ては、共感できる部分も多いし、一歩踏み外したら和恵のようになってしまうかもしれないという危機感も結構あったりしました。