イニシエーション・ラブ/乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。

読書の秋なのでちょっと本をいろいろ読んでみようと思います。
というかしばらく色々読んでたんだけどなんかハズレばかりだったのですが、
これはなかなか唸らされたというか面白かった。
解説に「最後から2行目にどんでん返しが!」って書いてあるから「どーせ叙述だろ」とか色々予想しながら読んだんだけど、オチまでみたらちょっと予想してたのとは違い、っていうかよく意味がわからなくてしばらく悩んだ。
で、漸く理解して読み返してみれば、物語上特に意味なさげな「男女七人」やタバコ、水着、指輪など、いたるアイテムや会話にまで伏線が張り巡らされてて「っへー」って純粋に感心。奥深い感じです。
確かにところどころに妙なひっかかりを覚えつつも、そこまでは考えてなかった。
まー、そのオチを知って一通り読み返してしまうと、もう次はあんまり読み返さないかなあ…という感じではありますが。


「タック…タックってわかります?」この台詞…マユすごいです。