世界の終わりの終わり/佐藤友哉

世界の終わりの終わり

世界の終わりの終わり

今回はちょっと西尾維新風な感じ。
主人公は小説家になりたいという「夢が叶った」けど、売れなくてその「夢をすぐ閉ざされてしまった」男の話。
実体験混じってるのかなと思うけど、やっと小説家になったのに本が売れなくて書店にも自分の本が並んでなくて、でも職業は「小説家」っていう状況が痛々しくてせつない。叶えて終わる夢もあるけど、小説家とか漫画家とかは叶え続けなきゃいけない夢だもんなー。
やっぱり妹萌えだし、あんまり好きな展開ではないし、なかなかエグイんだけど、この人の結末は今回も前向きで、結局読み終わるとオールオッケーな気分になってしまうのが不思議だ。
線路を壊すところがとても印象的でした。


「二つだけ約束してくれる?」
「なんだい?」
「まず一つめ。東京に行ってもほかの女にさわらせないで」
「…努力するよ」
「そして二つめ。もう二度と帰ってこないで」