ブレーキ/山田悠介

ブレーキ

ブレーキ

「ビンゴ」「サッカー」「ババ抜き」「ゴルフ」「ブレーキ」の5本の短編が収録されております。


「ビンゴ」
死刑囚が自分に番号を振り分けられ、その番号でビンゴゲームをやらされるというもの。一列揃ったら、その5人は全員死刑執行、12回連続でビンゴを逃れれば死刑から免れることができる。11回ビンゴから逃れた主人公は果たして死刑から逃れられるのか…。
どこからどう見ても、主人公の名前も日本人なのに「違う国の話」という時点でもう「うわー」です。その「違う国」では情状酌量とかはないらしいです。だから主人公はやむなくやった殺人で死刑らしいです。ここに「主人公を死刑っていう設定にしたけど、でも悪いヤツじゃないのよ〜」という作者の意図がありそうで嫌だ。
それと、謎の十八番のキャラを活かしてなさすぎる。
んでもって真似してフォントいじるのはやめてくれ。
オチも最悪。あっけなさすぎ。
思いつかないからって「なんでそんなことを?」に対して「俺は知らない」で終わるなよ。



「サッカー」
11人同士でサッカーするんだけど、ボールは選手の頭。剣をもって相手の首を落とし、その首をゴールへ蹴っていくっていうルールらしいです。
つーか(つるぎ)て。
まーとりあえずキャラに個性がないからいっぱい出てくるメンツも誰が誰やらさっぱりだし。
んでこちらのオチも最悪。数行で適当に片付けてる感じ。


「ババ抜き」
なんかもうあらすじ書くまでもないので、省略。
とりあえず3人を殺してしまった洋平が最後逃げるのだが、「迷いに迷ったあげく彼が出した答えは―『逃げよう』だった」とかいう一文で吉本新喜劇ばりにコケそうになった。どへー。
オチが妙にすがすがしい感じなのも変。「とりあえず外国へ行こう」って。無理だろ。


「ゴルフ」
ゴルフのトーナメント中に爆弾が仕掛けられ、ある一定の条件をクリアしないと爆弾が爆発するという脅迫状が届き…。
今までいろいろこんな感じの話ありましたけど、それはやらざるを得ない極限状態にあったからで、今回の話は大会を中断すればいいだけなのに「大事なトーナメントだから中断できない」とか言って続行しちゃうことにもまず非常に無理がある。
更に最悪なのはオチで、「結局爆弾は仕掛けられていなかったが一体誰が犯人だったんだろう。今日もグリーンにはナイスショット、という声が響き渡る」で終わる。ハア?


「ブレー


…すいません、もう疲れました。もう一個づつ言うのやめます。
とりあえず全部を通してなんでこれほどまでにオチが酷いのかが理解できない。
少なくとも今までは何らかの捻りがあったはずなのに、今回の短編全てが超普通
あと、どの話も割と途中斜め読みでした。
例えばビンゴならビンゴになるまで、ババ抜きなら一人残るまでの過程が長くて長くて、すっ飛ばしても意味通じたので。あと、こういうデスゲームみたいの好きなのはわかるし、私もそういう話は比較的好きなのですが、安易にやらないで欲しいというか、一定条件はクリアしていただかないと。


とにかくなんか……がっくりつか。ただでさえ薄い話書いてんだから、短編にしたらそれがぎゅって詰まるかと思えば更に薄まっちゃってる時点でなんかもう。Yoshiの本は二度と読まないと誓ったなみっこが、なんだかんだ山田を読むのはもしかしてという期待があったりなかったりするからなのかなと最近思ったりするわけで。
でももうネタ切れなんでしょうか。がっかりです。