サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)

サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)


西尾維新の文体に慣れたのか、西尾維新が腕を上げたのかはたまたいーちゃんの性格が哀川さんの影響を受けて変わってきてるのか、どれかはわかりませんがだんだん普通に読めるようになってきました。いや、恐らく慣れたんだろう。そうじゃなきゃ「ねおふるあらだぁ!?」と名前でキレてるはず。
さて今回は、途中で鈴無さんがいーちゃんに「いい加減自分が欠陥品で他の人がそうじゃないみたいな言い方やめたら?」と言うシーンがありまして。なんとも代弁してもらった気持ちですっきり!今までの自分語りはこの台詞のためにあったんじゃないかと思うくらい、なんともいい台詞でした。
ストーリーでは友の性格(性質?)やいーちゃんとの関係性もわかってきて、でもまだまだわからないことだらけで気になるところ。
そして最後の哀川さん、相変わらず素敵。十全でした。
トリックとしてはちょっとありきたりかなーと思うけど、この人の話は推理小説ではないのでまあいいんじゃないでしょうか。
面白かったですよ。



「ぼくはあの人と友達になれてよかったと思ってる。あんな素晴らしい人と仲良く、下らないことを話したり、一緒に食事をしたり、同じ部屋で寝たり、可愛がってもらえたり、からかってもらえたり、殴ってもらったり、いじめてもらったり。とにかくあの人と友達で良かったと思っているんです。だからあの人にもいつか、ぼくが友達でよかったと、思わせてみたい。くだらないことでしょうけど、それだけですよ」